剣術抄

とみ新蔵先生の思いとは?

山田風太郎先生の「魔界転生」は江戸時代初期の「有名剣士が勢ぞろいして闘うなどは剣豪フアンにとってみれば「夢の対決」というもので、描いていて実に楽しく、気合が入ったものです。
時代劇画屋なので、剣術は若い頃から感心の高いものがありましたが、魔界転生の執筆の頃は、現代剣道の延長イメージで描いていました。
その後、実戦剣術を探求する山本師範と会い、無駄を省いた「一拍子の動き」などを身につけた時、「柳生蓮也武芸帳」の連載しました。
次の連載の「薩南示現流」では、現在の東郷示現流の形骸化を知り、さらに独自に実戦剣術を探求しました。
「柳生兵庫之助」の連載でも、剣術の探求継続しいましたが、その頃では私の実戦剣術を、当節・当時代では殆どの剣術者が理解出来ない事だろうな、、と、ほぼ諦めていました。
でも4年前に私へ挑戦してくれる実戦武術歴30年以上の剣士が来て、手合せをして、難もなく勝ち、そこで改めて、私の実戦剣術を残しておきたい。伝えておきたい。と考え、00流剣術の宗家さんの4人や、00流の師範代クラス5人と、それぞれに立ち合い稽古をして、難もなく勝ちを取り、現代剣術が如何に形骸化しているかを改めて知りました。
宗家さんの中には「現代に実戦などは有り得ないわけですから、形式に則った型稽古だけでもよいではないですか(^^)」という人達も居ました。形式お遊戯でも良いよ。というわけでした。
その頃には実戦剣術の仲間もできて、互いに防具を付けて撃ち合う稽古をしました。
木刀での寸止稽古ではなく、撃ち合ってこそ、ヤハリな!そうだったか!判る世界があり、竹刀の使用であっても互いに真剣だという意識での稽古です。
そこで相手の太刀に触れることもない「音無し剣」へと進み、「合っし撃ち(斬り落とし)」の術へと進展しまして、その頃に「剣術抄」の上下ニ巻の連載をし、次には剣術抄シリーズ「新宿もみじ池」を連載しまして、同時に仲間の皆さんと、蠅のよう瞬機を観る訓練や無心になれる訓練をするようになりました。
我々の稽古は、勝ったの負けたには拘泥せずに、相手が上手くなるように、技が上がるように、相手が主役の稽古です。
昨年の9月に、11年振りに武蔵の五輪書を読みまして、11年前には解からなかった部分が、自分の術が深味に入っていたでしょう、殆どの部分が理解出来て、我ながら感動しました。
そこで最後の連載にと「五輪書・独行道」を劇画で遺しておきたいと願い連載を決意しました。劇画では解説を付け加えても、コマ取りを駆使しても、人間の動きは描けないので、多くの剣術修行者にも参考にしてもらえたらと願って2年前から「とみ新蔵ブログ」に実戦剣術の動画をyoutubuへ、50回ほどアップしました。
Youtubuでは、アレコレの剣術動画が盛り沢山にありますが、私の実戦剣術の動画との相違を知って貰いたく思い、動画の解説の最後には、以下のような案内も書いています。
2016年某月
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他流との立ち合い稽古、大歓迎です。
それは共に学びとなります。
どちらが勝ったのとか、負けたとかの、低次元に拘泥することなく、共に、昔の剣豪の名を看板にしてのブランド銘だけで、すでにとっくに、お遊戯みたく形骸化してしまった 日本双手剣術のレベル・アップをはかりたいものです。